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中学生の募集停止について

最初のヤングクラブカップ/夢が叶った瞬間です

 ソチオリンピックが終わってしばらくたった頃、テレビ番組にオリンピックで活躍した選手達が出演していました。
 バラェティ番組だから別に目くじら立てることでもないのでしょうが、選手達が口々に「選手村の食事がまずかった」と発言するのです。中には「バンクーバーはもっとまずかったからソチでは我慢できた」といった趣旨の発言をする選手も居ました。
 思わず耳を疑ってしまいました。
 私たちが指導しているこども達が仮に「合宿の食堂の食事がまずかった」などと言おうものなら、
「まずい食事を作ろうと思って作る人など1人もいません。食堂の方が一生懸命作ってくれた食事が自分の口に合わないことへの不満を言うのではなく、感謝の気持ちを・・・・・・」
おそらく、巷間で小学生を指導している指導者の中にはそういうふうに指導するの人もかなりいると思います。

 ここ数年感じることなのですが、どうも日本には二とおりのスポーツがあるように思います。

 このクラブを卒業した中学生は、ほとんどのこども達が高校でもバレーボールを続け、そのうち数人は春高バレーやインターハイにも出場しています。そういったこども達をそっと応援しているよ・・・といった意味でOBの進路紹介をしていたのですが、どうも、「このクラブに入ると高校に入れてもらえる」と進学塾のように考えるこども達が現れるようになりました。
 ほとんどの子供が面接や問い合わせの際に、「選抜に選ばれて○○高校で春高に行って・・・」と夢を語るのですが、最近では、ここはそういうことを請け負うクラブじゃないよと諭してお断りするのが日常になってきました。

 このクラブはヤングクラブとして活動してきました。
 当時、私たちが本拠地としている小学校を卒業したこども達が進学する中学校にはバレーの部活動が無かったのです。バレーを続けたいこども達がそういった理由でバレーをできないのは気の毒だからと始めたのがスタートです。そのうち、人間関係で部活動をやめたり、メンバー不足で廃部になったりと様々な理由でこども達がやってくるようになりました。
経験の多寡やジュニアでやってきたバレーボールの違いなど様々なこども達ですが、共通するのは、みんなバレーボールが大好きだということだけでした。そういったこども達が年に一度の「ヤングクラブカップ」に出たいと一生懸命バレーボールを練習するクラブでした。

 ヤングクラブカップは毎年9月に行われます。ほとんどのこども達が運動会と重なるため、出場権を取れば運動会に出られないというジレンマを背負います。運の悪い子供は修学旅行と重なった子供も居ました。それでも、みんななんとかやりくりして全国大会に出場します。3年生は9月まで、受験勉強とバレーを両立しなければなりません。
そうやって、全国大会が終わります。

 このクラブにとって、全国大会の宿舎と帰りのフェリーが世代の引き継ぎの場です。宿舎で次のキャプテン人事を決め、フェリーが到着したターミナルで慌ただしく3年生の引退セレモニーを行います。
その日から、3年生は遅れていた受験勉強を取り戻そうと塾通いを始めます。
それがこのクラブの「引退」なのです。

 やがて11月になります。高校の先生から成績の問い合わせなどがあってポツポツと、「ウチでバレーをやってみませんか」
という声がかかるようになります。こども達は自分の希望する進路などを相談しながらお話を受ける場合もあれば、お断りして受験勉強に精を出す子供も出てきます。

 ほぼ全員がそういうふうに進路を決めていくのですが、その部分が見えない人たちにとっては、「このクラブに来れば高校に入れてもらえる」といった短絡した思考になっていくのでしょうね?

 私たちは、子供達がスポーツをするということはたくさんの人に支えられているということだと考えてきました。こども達にはそのことに感謝し、保護者や周りのたくさんの人たちに感謝し、仲間に感謝し、人を思いやることを身につけてほしいと思いながら指導に携わってきました。
 しかし、最近は、そういうことよりも、スポーツをすることがなにかの特権であるかのように振る舞う子供を見る機会が多くなってきました。確かに、一部のエリートにとってはスポーツ環境はオリンピックに出るためのプログラムの一部であったり、プロのプレーヤーになるためのステップ一つだとは思います。また、優秀な選手が早くから才能を開花させ、その才能を持ってタレントに転身したり指導者としての地歩を築いていくことも悪いことではないと思います。

 でも、こども達が自由にスポーツに取り組むことができるということは、誰かに支えられているからできることのハズなのです。せめて、そのことに感謝し、一緒に戦う仲間と同じ目線で、思いやりを持ってスポーツができるこども達と一緒にやっていきたいと思います。

 たぶん・・・・絶対に、アナクロなんですけどね
 でも、素直に「ありがとうございます」って言えるこども達とバレーをやりたいと思いました。
 これが、中学生の募集を停止する第一の理由です。

  
          
クラブカップ選手権大会の後のディズニーランド  

 ヤングクラブという活動を一言で表現すると、未だ評価の定まらないバレーボール団体と言って良いと思います。
 10年間活動してきて、未だにどんな団体なのかわかりません。
 趣旨は素晴らしいと思うのですが・・・・・

 ヤングクラブには、大きく分けて3つのジャンルのチームが存在します。
 まず、部活動に入っていないこども達を中心に構成された純粋な「クラブチーム」。
 私たちが最初に聞いた説明は、ヤングクラブはこうなんだと聞きました。
 次に、部活動をやっているこども達が任意に集まって練習する、「部活動+1」のチーム。
 そして、何らかの形で招集される「選抜チーム」。

 この3つの形のチームが様々な形で絡み合っているのですが、まぁ、ややこしいですね。

 前項でも書いていますが、私たちがヤングクラブを設立したのは、中学校に部活動がないこども達を救済したいというところがスタートでした。紆余曲折を経ながらいろいろな経緯を持ったこども達が集まってくるのですが、やはり、中学生にとって部活動に入っていないということに対しては様々な有形無形の圧力がかかります。
 たしかに、様々な事情で部活動を継続できない子供にとっては部活動ではないクラブチームというものが必要なのかもわかりませんが、最近は多少事情が変わってきています。

 10年ほど前までは、子供が校区をまたいで部活動のある学校に通いたいなどと言ったら、教育委員会から大目玉を食っていました。「学校は勉強するところです。部活動をしに行くところではありません!!!」
 確かにそのとおりです。
 ところが、最近では、こども達は自由に学校を選べるようになってきました。
 中学や高校の先生達が連携してこども達を指導しようという取り組みもあちこちで行われるようになってきました。
 個人的な感想を言えば、これだけ通学校区が自由化されたのであれば、それに加えて「部活動+1」のヤングクラブが機能する環境があれば、こども達の希望はかなり叶うのではないかと思うのです。

 最近、すぐ近くの県立北九州高校で地域の中学や高校の指導者が連携して指導する素晴らしい「部活動+1」のヤングクラブができました。小学校に間借りしてキャリアも経験も乏しい指導者が細々と指導してきたクラブとは月とスッポン・・・(スッポンに失礼かな)・・・というくらい素晴らしい環境のヤングクラブです。志の高いこども達は、十分に夢を叶えることができる環境が整ったのではないかと思います。

 私たちがヤングクラブを運営してきて12年経ちました。そろそろ役目を終えても良いのではないか・・・・と思ったことが第2の理由です。
 

最後のヤングクラブカップの後/千日前で
 
では、なぜ解散ではなくて募集停止か・・・・・というところです。
 小学生を対象にした「ゆっくりやるバレーボールクラブ」と全く同じ理由なのですが、これだけバレーボールの指導環境が高度化されてくると、そのうち、「ゆっくりやりたい中学生」というニーズが出てくるのではないか・・・と思うのです。
例えば、ゆっくりやる小学生が、中学生になってもノンビリ楽しみたいと考えるかもわかりません。

 そのときは、「ゆっくり始める中学生バレーボールクラブ」としてまた始めるかもわかりません。
 本当に困っているこども達のためのお助け教室の窓口だけは開けておかないとね・・・
 だから、当面は“募集停止”なんです。

 また、クラブチームとしてがんばって活動しているヤングクラブへの支援活動は今までよりも積極的に展開していこうと考えています。クラブチームの大会や強化合宿も順次計画していきますので、あまり期待せずにご期待ください。